夏休みの終盤
小学校一年生だったと記憶しています。
当時は団地住まいだったので
毎日、ガキ連中、兄弟連れて大勢で遊んでいた。
その日は午後まで何をして遊んでいたのかは忘れたが、やることがつきてしまったのだと思う。

そう言えば、○○の国の記念碑でお化けを見たよ
と言う友達がいて、そんな話で盛り上がった。

じゃ見に行こうと誰が言ったのか…。
でも、これから出ても閉園間近だし
バスと電車を乗り継がないと行けない。

家に帰って親に行くことの許可とお小遣いをもらい
急いで出発。電車は初乗り運賃で
ホームから線路に下りれば何とかお小遣いが浮くし
バスも歩けばどうにかなる

どうにか閉園間近に到着
過去にも数回来ているので慣れている。
外周路から最奥まで歩き
夕暮れ間近のヒグラシが鳴きはじめ
折り返し
とうとう、その場所の直線に入った。
何も無いことを願い、皆恐いのか意味のないお喋り
俺は喋る事もできないくらい怖い
何もなく通り過ぎた。

まさか出るはず無いよな
振り返ってみると
無名戦士の記念碑から半透明の青白い煙のようで
上部が黒い何かが
ふわっと出てきて急上昇
木の上で消えた。
ほんの一秒位の出来事

兄には数日経ってから話ができた。

四十数年経つけど今でも鮮明に覚えてる
あれが初めての経験だった。